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2007年11月22日 (木)

11月18日 由布岳

本当ならば10月の中旬辺りに登ろうかと計画を立てていたのだが、肺炎やら虫垂炎やらなんやらかんやらで11月も中旬に入ってしまった。これ以上延ばすと子供と一緒に行くのは無理だろう。ダイキチには約束をしてしまっている。何が何でもこの日しかないだろう、と言う思いがあった。

当初はダイキチ、みい、私の三人でと思っていたが、病み上がりの私を気遣ってか珍しくgasaさんが同行。寒気が入り込んで来ているので当然山は冬だろう。兎に角無理はしない、きつくなりそうなら早めに下山する、と言う事で7時20分家を出発。車中でおにぎりを食べ、終わりに差し掛かった紅葉を愛でつつ一時間弱で由布登山口に。

休憩所やトイレの設けられている駐車場には、既に10台以上止まっている。空いた所に車を止め、車外に出ると、寒っ!予想はしていたが矢張り冬だ。そして若干風が強い。みいはこの風に怖気づき、「だっこ~」と叫んでいる。空は雲が多く、山頂に至ってはガスが掛かり見えない。ダイキチとみいに「帰るか?」と尋ねると、以外にも「帰らない!」という返事が。流石我が子、根性があるぞ。ストレッチを入念にし、準備をして8時35分、出発。

163 登山届ボックスに計画書を入れ、由布岳を正面に牧歌的な笹原の登りを歩く。左手にはこんもりとした草山がある。飯盛ガ城(いもりがじょう:1067m)と言い、山城が置かれていた所だそうだ。ダイキチは笹の中を猿の子のように飛び回り、みいはgasaさんにだっこだ。こんな事もあろうかと思い、gasaさんと子供の荷物は極力軽くし、その分私のザックに詰め込んではあるのだが、先が思いやられる…

約20分歩くと柵があり、「牛の侵入を防ぐ為」云々と書いてある看板がある。矢張りこの草原で夏の間放牧が行われているのだろうか。柵を越えるとここからは由布鶴見自然休養林に入る。ここにもトイレと休憩所が設けられている。ここから右は日向岳観察路経由で由布岳東登山道。我々の後から来た男性の登山客が一人、こちらに向かって行った。興味深いルートではあるが、ダイキチ、みいを連れては無理だろうな。

164 我々は由布岳登山道(正面コース)を進む。楓や小楢、山法師、柏等々の自然林の中を歩く。紅葉はほぼ終わりとなり足元を落葉が埋め尽くしているが、赤や茶色の葉がまだ僅かに残っている。秋の盛りのにぎやかさが無くなり、季節が冬に向かう山は静かでどこと無く暖かで私は好きだ。夏からひっそりと秋に向かおうとする初秋の山も趣がある。多分私は中途半端が好きなのかもしれない。

そんな私を知ってか知らずかダイキチは落ち葉を拾いながら「柏餅の葉っぱー!」「もみじの葉っぱー」と叫んでいる。…山は静かに楽しみたいが、暫くは無理だな。

みいに赤く色付いた楓の葉を2、3枚拾ってやると興味を示し、一旦は下に下りて歩き出したが、再び「だっこぉ~」とgasaさんに抱っこされてしまった。

ここから約三十分ほどで視界が開け、岩石が露出した場所、合野越(ごうやごし)に着く。岳本からの道がここへ繋がる。ここから飯盛ガ城へと向かう事も出来る。一先ずここで小休止とするが、立ち止まると寒くなるのですぐに動き出す。

165 再び樹林帯に入りジグザグの登山道を行くが、暫く行くと辺りは潅木になり、振り向くと飯盛ガ城と由布院の景色が一望。しかし、風を遮る物も無くなり顔が冷たい。ダイキチは鼻水がじゅるじゅる。みいはgasaさんの背中から「さむい~」を連呼。「じゃあ、もう帰るか?」と尋ねると二人とも首を横に振る。ならばみいよ、降りて歩きなさい、と言うが「だっこがいい」とのたまう。gasaさん、お気の毒に(苦笑)

辺りの景色は潅木から枯野の草原へと変わり、再びミヤマキリシマやドウダンツツジの潅木が現れる。ここからが少し急登になる。ダイキチは猿の子のようにピョンピョン登り余裕の笑みを浮かべているが、14キロのみいをだっこのgasaさんはきつかろう…。「いや、重くは無いが足元が見えなくてきつい」だそうな。ダイキチは「やっほー」などと言っているが、ここではやまびこは聞こえないよ、と思っていたら下の方から「ヤッホー」と帰ってきた。あれれ?

167 ガレ場を抜けるとマタエに到着。合野越からここまでは休憩を取りながら約1時間半。ダイキチ、本当に良く歩いたな。とりあえず記念写真を撮り、家で焼いてきたツナマヨパンとチーズを口に入れる。すると、後から登ってきた登山客の一人が「あら、さっきヤッホーって言ってくれたの僕だったのね?おばさんのヤッホーも聞こえた?」と声をかけてきた。ダイキチがニコニコ頷くと「君の声で元気になったのよ。ありがとうね」とお礼を言われた。山は静かに楽しみたいと思う登山者が多い中(私もその一人)その言葉はとてもありがたかった。それから次から次へと声をかけられ、彼はたちまち有名人になってしまった(苦笑)。

166168 マタエ正面はウバガウジと呼ばれる噴火口跡。ノリウツギやミヤマキリシマが群生している。西は西峰(1583m:写真左)で、マタエからすぐ障子岩(写真右)と呼ばれる岩壁の登りがあり、ダイキチはこちらに興味を示し、一人でピョンピョン登りかけたが私に一喝されてすごすご戻ってきた。君の気持ちは良くわかる。私も本当ならば行きたいよ。ダイキチならば登りは大丈夫だろう。しかし下りを考えるとすぐにOKとは言えないものがある。お鉢回りをして東峰から下る事も考えたが1時間かかる。みいが「さむい~ねむい~」と言い始めたのでgasaさんはみいとここに残ると言ってくれたが、そんなに待たせるのは心苦しい。ダイキチを説得し、当初の予定通り東峰に向かう。

マタエに着いた頃からガスが上がってきて、展望は全く利かない。ちらちらと白いものも舞っている。ダイキチは口をあんぐり開けている。何をしているのかと思ったら「雲を食べている」のだそうだ。曰く「甘くも辛くも無い」(笑)。岩稜伝いに登っていくとダイキチが「…!」声にならない悲鳴を上げた。岩の角に当たったのだろう、掌が切れて血が出てきている。少し涙目になっているダイキチに「これくらい大丈夫」と手で傷口を押さえ止血し、リバテープで止めてやると落ち着いた。「登れるか?」と尋ねると首を縦に振ったので再び歩き出す。岩をよじ登る長男は目がきらきら輝いている。「こんなゴツゴツした山に登りたかった」と頼もしい事を言ってくれた。

169 15分も歩かないうちに東峰(1580m)に到着。山頂では何人かの登山客が昼食を取っている。相変わらず視界が悪いが記念撮影し、「よくがんばった」と握手をした。

この東側に由布岳東登山道からの道を確認し、来た道を戻る。ダイキチは「お鉢回りをしたい」と未練たっぷりに言ったが、「私も行きたいが仕方ないでしょ」とこちらも未練たっぷりに言い返し、二人でにやりと笑った。下で待っている二人はどうなっているかな…

マタエに着くとみいはgasaさんに抱っこされ眠っていた。こんな状況でよく眠れるなぁと思ったが、ああ、そういえばこの人は歩きながらでも眠る人だった(笑)。私とダイキチの気配でみいは目を覚まし、お昼にするにはここでは寒いからと合野越まで下る。西峰から降りてこられた登山客が、西峰には樹氷があったと教えてくれた。それにしてもダイキチは元気だ。下りもピョンピョン降りて行き、「早くー!」などと言っている。おまけにマタエでモテモテだったのに気を良くしてすれ違う登山客にちょっかいを出している。恥ずかしいから止めてくれ。私が一喝するも暫くはしゅんとするが、再び標的めがけてピョンピョン走っていく、その後姿はまさしく猿だ。

170 合野越に着き、コンロでお湯を沸かす間子供たちは岩に登ったりかくれんぼをしたりして遊んでいる。ラーメンが出来るとすぐに集まってきてあっという間に食べてしまった。ラーメンを食べ終わる間にお湯を沸かし、飲み物でも作ろうかと思ったのだが間に合わないではないか、よく咬んで食べなさい。

171 子供はココア、大人はコーヒーで「お疲れ様」。まだここから30分以上は歩かないといけないが、冷えた体も温まった事だ、歩こう。みいもやっと自分で歩き気になったようだ。私と手を繋いで、ダイキチの真似をしてピョンピョン行くが、なかなか上手く行かず、転んでずぼっと落ち葉に埋まる。それが楽しかったのかずぼっ、ずぼっと埋まってはきゃはきゃは奇声を上げている。顔から落ちないように支えている私は気が気ではない。

あっという間に柵のところに到着。しかし柵を出て笹原の丘に出ると風を遮るものが無くなり、激しい風に煽られると、みいは途端にgasaさんによじ登る。このお嬢様は結局今日は30分程度しか歩いていない。

172_3173_2 笹原を歩いて後方を振り返ると先程までガスが掛かり見えなかった双耳峰の山頂が姿を現している。山頂での事が嘘のようである。手前左には飯盛ガ城の姿も見える。それにしても皆よくがんばった。ダイキチに関しては私は一度も手を貸していない、一人で登り切った。そんなダイキチが「又来たいね。こんどは岩の方(西峰)に登りたい」と言う。何度でも来よう。冬の樹氷、夏の花、秋の紅葉。楽しみは一杯ある。今度来るときはみいが少しは歩くと良いがな、風が笹原揺らす音を聞きながら登山口に着いた。

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